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EH酒造の最新設備によって、杜氏は新たな酒造りへの第一歩を踏み出した。しかし、その最新設備をもってしても、やはり酒造りは一筋縄ではいかない。ちょっとした材料の配合バランスや温度変化、湿度の違いで、酒の味は大きく変わるのだ。
「たとえば毎年、酒米に同じ最高の山田錦を使っても、水分含有量などが微妙に違います。さらに湿度や温度も変化しますから、過去のデータを基にしつつ、酵母や麹菌が働きやすい状況を整えなきゃいけない。これを実現するためには、科学的な働きをある程度知っておく必要があります。単に、経験とカンだけでやればよいというわけではありませんから」
とはいえ、酒の味、香りに大きな影響を与える麹づくりなどでは、科学的なデータだけでは測れない「杜氏の経験」が活かされる。杜氏はスタッフ全員にそれを伝え、お互いの意思疎通を密にし、酒造工程に反映させていく。
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